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たまには仕事の話

今、私たちの業界でかなり問題になっている問題。それは海賊だ。

えぇ!!今の時代に海賊ですか???

と驚かれるのも無理ないと思います。しかし、現実であり、海賊がいなかった時代も実は無かったのです。

参考:米軍事会社、ソマリア沖海賊対策に進出 国際ニュース : AFPBB News

とびっきり最近問題視されている海域はソマリアの近海です。というのもソマリアという国は事実上無政府状態であり、国として機能していれば各国が国際的に圧力をかけたり、話し合いをしたりと、根絶こそはできないかもしれないが、ある程度の対応ができるというものだが、この国はもう国そのものがテロリストのようだ。

で、ソマリアという国の位置もあってか、海上輸送上最も活用されている運河のひとつであるスエズ運河を航行する船舶を狙っているのだ。実際の取引として皆さんももうご存知の通り中東やドバイのバブルなどもありヨーロッパ/アジアから中東の航路が用船者(詳しくは”用船契約“参照)たちの間ではかなり高い傭船料を稼ぐ手段となりつつある。ましてや危険な海域を通るのだから尚更用船料は弾んでいると思われる。

今現在私たち(船主)が取れる対策として

海賊多発海域への配船を差し控えるよう用船者に通達する

これにつきるワケですが、用船者も既に手配している中東向け(ソマリア近海を航行する)荷物がある場合もあるが、今後は頼むねということです。しかしながら用船者も金儲けしなくてはなりませんので、弁護士を通じて返事をしてくると思われ、未だに具体的な返答をいただいていないところが多いようです。

そんな最中、ごく最近ですがバルチック海運指数(海運株を所有の方はよくご存知かと・・・)がこのサブプライムショックで急激に下げてしまいました。この指数によって荷主から用船者に支払われる運送料が決められており、この下落により運賃が大幅に値下げしている状態になってしまいました。ちなみに1年前までは用船者はウハウハで参っちゃったねたまんないね!状態でした。この運賃から船主に用船料が支払われるわけで、用船者からしてみれば燃料費は落ち着きつつあるものの、運賃がそれ以上に安く収益性が極めて低くなってしまっています。

そんな時、用船者の立場からは

危険ではあるが1日星の数ほど航行する内の数隻しか襲われないワケだし大目にみてよ

というところもある。で、実際に海賊に襲われると船はどうなってしまうのか?なのですが、事実上、かつ用船契約上Offhire(オフ・ハイヤー)という状態になります。すなわち私たちは収入を得る術をなくしてしまいます。それに加えて、

  • 船員を人質に取り莫大な身代金を要求される
  • Cargo(荷物)を略奪される
  • (場合によっては)船体そのものに損傷を受ける

船主は(ギリシャ会社でもない限り)船舶を銀行から借入れて購入していますので、こういった期間中も返済はしなくてはなりません。船舶が用船期間中止まらずに運航していることが最低要求されることなのです。ましてや身代金を支払えとなると船主にトドメをさしかねません。

じゃ、保険は?

というお話もよく聞かれますが、一応、保険の定義上、海賊/テロリストが原因もカバーできるような保険はタブーとされています。

ちなみに身代金ですが、日進月歩(してほしくないものだが・・・)で最近では500~600万ドル(5~6億円)とも言われています。また、海賊は船員の家族に電話させて

この船の船主は身代金を払ってくれないから酷い!

と言わせるらしいです。やることは極めて汚いです。

で、アメリカの軍事会社が上の参考記事のようなビジネスに乗り出したというワケです。ハイ。

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